うちは、消費税免税業者である(No.6501 納税義務の免除|国税庁)。
消費税では、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、その課税期間における課税資産の譲渡等および特定課税仕入れについて、納税義務が免除されます(注)。
ただし、適格請求書発行事業者は、基準期間における課税売上高にかかわらず、納税義務は免除されません。
「免税事業者」と「非課税事業者」は別のもののようだ。
- 免税事業者:↑の条件に当てはまる場合
- 非課税業者: 「本来は課税の対象となる要件を満たす取引であるものの、消費税の性格から課税対象としてなじまないものや、社会政策的な配慮などから消費税を課さないこととされている取引です。」
休業している間に行われた制度変更の中で大きいのがこの適格請求書等保存方式という制度だ。 うちは適格請求書発行事業者になるための申請はしていないので免税事業者ということになる。
適格請求書を発行しない事業者
適格請求書発行事業の登録は必須ではない。
登録していないので適格請求書を発行できない。
手続き的にはそれだけのことである。特に申請を出したりしなくて良い。
免税事業者自身はそれで終わりである。
取引先が課税事業者かどうか
インボイス制度が面倒な話になっているのはここから先である。
消費税は、買い物する人にとっては売値に追加して支払うだけである。それを収入にする業者は「消費税を預かった」状態になる。消費税を預かったからといってそれを納税する必要がありそうに感じるが、最初に書いた条件に当てはまらなければ関係ないはずだ。
逆もまた真なりで、課税事業者だったら消費税を預かっていようといまいと納税しないといけない。ただ、適格請求書に対する支払いがあると税控除対象にできるそうだ(課税事業者になったことがないので伝聞だけだが)。
なので、取引先が免税事業者だったら気にしなくてよい。私、消費税請求しない、あなた、消費税納税しない、でよい。請求側は消費税分を請求してもしなくても影響がないだけだ。
インボイス制度のデメリットが出てくるのは、自分が免税事業者、相手が課税事業者の場合だ。課税事業者はなるべく控除する額を大きくしたいのでただの請求書じゃなくて適格請求書の方がうれしい。
その次のステップとして、適格請求書を発行するとなると消費税を納税しないといけない、というのがある。そうすると「じゃあ今までの請求額に消費税を上乗せしますね」という主張が通るかどうかが問題だ。
いま2025年8月でアメリカとの関税がどうのこうのという状況なのだが、関税額が大きくなったとして請求側がそれをそのまま上乗せできるかというとなかなか難しいものがある。業者がある程度我慢して徐々に回収していくとか、原価が下がるようにするとか苦労しそうだ。
同じように、請求額を上げると「業者を乗り換えられるかも」みたいな心配をするくらいだったら内税扱いにして身を切るか・・・という選択をしがちになる。お金の交渉自体がそもそも大変だしね。
そういう、免税事業者にとって非常にありがたくない制度である。